ニュースレター

2002年10月01日

 

新しい持続可能な経済へ向けて、日本企業のさまざまな取り組み

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JFS ニュースレター No.1 (2002年9月号)

多くの人々が、現在の持続不可能な経済から、持続可能な経済へ移行しなくてはならない、といっています。持続可能な経済では、経済活動のあらゆる段階や局面に、"環境"を取り込むことになります。

企業でいえば、工場の煙や廃棄物、汚染物質の削減といった、従来の「公害対策・環境部門」だけではなく、社内のあらゆる部門や階層での意思決定に「環境」という側面が入る「環境経営」を行うことになるでしょう。

また、「環境」という切り口から、従来とは異なる製造工程や人事評価、調達方法など、新しい社内のしくみもできてくるでしょうし、まったく新しい製品やサービスを提供することになる場合もあるでしょう。ある日本の経営者は、「環境はイノベーションの宝庫だ」と述べています。

日本では最近、このような「持続可能な経済へ向けての企業のあり方」を模索し、世に問う取り組みがあちこちに芽生えてきました。

たとえば、地球環境を損なうことなく経済成長を続けるためには、物理的なモノとしての製品ではなく、「そのモノが提供しているサービスや機能」を提供する新しいビジネスモデルが必要だといわれますが、いくつかの日本企業は、この新しいビジネスモデルを実際に事業展開しはじめています。

Japan for Sustainability のウェブ上にある情報データベース「インフォーメーション・センター」では、このような企業の新しい取り組み例を紹介しています。「エコ商品・ビジネス」のカテゴリーに入っています。

たとえば、今年4月に「蛍光灯ではなく照明」を売る「あかり安心サービス」をはじめた松下電器。
記事はこちら→http://www.japanfs.org/db/84-j

また、富山の日本海ガスという中堅企業は、昨年冬より「ガスファンヒーターではなく、暖かさを売る」事業を開始し、顧客から好評を得ています。
記事はこちら→http://www.japanfs.org/db/120-j

また、環境コストを経営に取り込むことも「持続可能な経済へ向けての企業」の大切な側面となるでしょう。日本は、国としては、二酸化炭素排出を内部化する炭素税導入はまだ行っていませんが、民間企業である西友は、いち早く、社内環境税のしくみを採り入れ始めました。
記事はこちら→http://www.japanfs.org/db/70-j

そして、日本企業では、人事制度に「環境」という側面を採り入れるところが増えています。製造業を対象とする第5回環境経営度調査によると、「環境対策の成果を管理職の賞与など人事評価に反映しているかとの質問に、回答した820社のうち74社が「反映している」と答えています。
いくつかの具体例を含め、記事はこちら→
http://www.japanfs.org/db/110-j
http://www.japanfs.org/db/34-j

ここでご紹介したのは、日本企業の先進的な取り組みの一部です。このような企業は、単に「環境に優しい企業」になろうというだけではなく、環境を自社の競争優位の源泉や差別化要因の一つであると位置づけているのです。今後も、このような新しい動きをどんどんウェブの情報データベースに逐次アップしていく予定です。

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