2006年03月16日
2005年11月11日、環境省が進める中長期的視点に立った日本の温暖化対策研究プロジェクトのシンポジウムが開催され、2050年までに日本のCO2年間排出量を70%削減するシナリオ研究が発表された。シンポジウムは内閣府と国立環境研究所の共催。
本研究は、気候を安定化させるために、日本のCO2年間排出量を1990年レベルから60から80%の幅を持った目標を設定して、2050年のエネルギー需給システムの試算を行ったもの。徹底した需要側温暖化対策を加味して推定した2050年の最終エネルギー需要量は石油換算2億9600万トンで、2000年の最終エネルギー需要量3億6500万トンの約80%。
CO2を70%削減するエネルギー供給シナリオの「ケース1」は天然ガス、原子力、炭素隔離中心で、天然ガスから水素を製造する際のCO2を炭素隔離貯留し、総発電量の50%を原子力で賄うケースで、新エネルギーの導入は少ない。「ケース2」は水素、バイオマス中心で、水素をバイオマスおよび風力から供給し、原子力はケース1の半分程度。「ケース3」はバイオマス、新エネルギー中心で、原子力はゼロであるが、大量のバイオマスを必要とする。
70%削減を実現するためには、既存のエネルギーシステムの大幅な変更を行わなければならず、今後、コストを含めたシナリオ解析を進めるとしている。
http://2050.nies.go.jp/
登録日時: 2006/03/16 10:55:33 AM
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