2005年02月16日
Keywords: 3R・廃棄物 企業(非製造業) 再生可能エネルギー 地球温暖化 大学・研究機関 環境技術
滋賀県にある包装資材製造会社「新江州」は、立命館大、神戸大そしてバイオマスエネルギーシステムの開発・販売にあたる企業、エナジェンと共同で、セルロースに遺伝子工学的な方法で機能を付加したセルロース分解酵母を使って、古紙などからバイオエタノールを製造する技術の開発に取り組んでいる。2004年4月に環境省の地球温暖化対策事業に採択された。
バイオエタノールは植物由来なので、ガソリンに混入して燃焼した場合に排出されるCO2は温暖化ガスの排出量に算定されない。海外ではすでに、サトウキビなどから製造されるバイオエタノールのガソリンへの混入が進んでおり、日本でも2004年度からバイオエタノール3%混合燃料の導入が始まっている。環境省では、2012年には全国的な供給体制を確立、将来的には10%混合燃料の導入へと進めたいとしている。
サトウキビ、トウモロコシなどからのバイオエタノール製造は大型の施設を要するうえ、日本では原料も輸入することになるのでコストがかかる。今回の共同開発では、再生できない古紙を原料とするため、コストの削減が可能になり、資源の有効活用ともなる。これまでのエタノール製造方法では、でんぷん質の発酵、蒸留工程に時間とコストもかかっていたが、この特殊な菌を使うことでこの工程を大幅に短縮できる。
同社では2007年の市場参入を目途に開発を進め、2012年には生産量が3万6500リットル(年間)になると予測。3万6500リットルのバイオエタノールによって削減されるCO2は約5万1700トンとなる。
http://www.shingoshu.co.jp/
登録日時: 2005/02/16 09:12:29 AM
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