エネルギー・地球温暖化

2016年10月23日

 

森林総研、土壌から放出されるCO2のマップを作成

Keywords:  地球温暖化  生態系・生物多様性 

 

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イメージ画像: Photo by Picography.

国立研究開発法人森林総合研究所は2016年3月16日、国立研究開発法人国立環境研究所、ドイツ連邦共和国マックスプランク研究所との共同研究により、土壌から大気へ放出される二酸化炭素の全球マップを構築したことを発表した。世界各地の1,600地点を超える観測データを含む最新のデータセットを用いてモデルを構築し、全球での分布を推定。

落ち葉などの分解や根の呼吸を起源とする「土壌から大気へ放出される二酸化炭素」は、化石燃料による放出の10倍以上と考えられている。これまで、土壌からの二酸化炭素放出の十分な観測データに基づいた推定は少なく、全球での総放出量はよく分かっていなかった。

今回の推定によると、全球での総放出量は、炭素換算で91ペタ(10の15乗)グラム(1965年から2012年までの平均値)。これは、2010年にNature誌に報告された先行研究よりも6%程度小さい(2008年の推定値と比較)。この差は、化石燃料の消費で毎年大気に放出される二酸化炭素量に匹敵する。

経年変化については、気候変動による気温上昇の影響を受け、放出量が増加傾向にあることも示唆された。本研究で得られた最新の推定値は、地球上の炭素循環についての理解を深め、今後の気候変動の予測精度の向上に役立つことが期待される。

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