2014年01月29日
Copyright 気象庁 All Rights Reserved.
気象庁は2013年11月6日、気象庁ホームページ「海洋の健康診断表」を通じて、全球の海洋による二酸化炭素の吸収量についての国内初の定期的な情報提供を開始したことを発表した。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書では、現在、海洋は産業活動により排出された二酸化炭素の約3割に相当する量を吸収する、重要な吸収源となっており、海洋酸性化を引き起こしていることが示されている。このまま大気中への二酸化炭素の排出量が増加し続ければ、海洋が二酸化炭素を吸収する能力が低下し、地球温暖化の進行が加速することが懸念されている。
同庁が今回、海洋気象観測船の観測結果とともに、国際的な海洋観測網で得られたデータをもとに、全球の海洋による二酸化炭素の吸収量を求めた結果、海洋による二酸化炭素の吸収量は、1990年から2011年までの平均で1年あたり19億トン炭素であり、近年、増加傾向にあることが分かった。
同庁が長期にわたり継続してきた観測データを用いた研究成果は、IPCC第5次評価報告書にも引用されおり、地球温暖化や海洋酸性化などの気候変動の監視・予測研究の進展に貢献している。