エネルギー・地球温暖化

2013年10月15日

 

東京大学 海洋熱吸収の増大を発見

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関 

 

東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩准教授らのグループは2013年7月22日、観測データを理論モデルにあてはめることで、2000年以降の気温上昇の停滞現象に伴い、海洋の約700メートルを超える深い層での熱の取り込み(熱吸収)が強まっていることを明らかにした。

20世紀後半以降、地球全体の平均の地表気温は上昇の傾向を示しており、2001年以降の10年間の平均気温は1961年から1990年の平均に比べて約0.5℃高くなっているが、21世紀以降の気温上昇率は10年あたりで0.03℃とほぼ横ばいで、こうした停滞状態は気候のhiatusと呼ばれている。

一見すると地球温暖化が止まったかに見えるが、実は海洋による熱吸収が活発化した結果であり、現在のhiatusが一時的なものである可能性を示した。さらに、最新の全球気候モデル群による気候変化シミュレーションを解析し、自然変動に伴うhiatusのパターンを調べたところ、海面水温の偏差がここ10年ほど観測されている負の太平洋十年規模変動に似ており、hiatusが少なくとも部分的には気候の自然変動である可能性を示した。

これらの結果は、人為起源の気候変化による将来の地表気温上昇の推定をより確かなものにする上で重要な示唆を与える。

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