ニュースレター

2012年05月15日

 

『JFS「未来を育む学び in 東北」プロジェクト ~東北の今に学び、未来への希望を育む~』

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JFS ニュースレター No.116 (2012年4月号)
3つのプロジェクト始動のお知らせ


2011年3月11日に東日本を襲った大地震・津波は、岩手・宮城・福島の東北3県に特に大きな被害をもたらしました。それから1年、各地で懸命の復旧・復興の取り組みが行われています。

被災された方々の痛みや苦しみを軽減するために、できることをできるだけ早く進める必要がある一方、地域の真の復興には時間がかかることも事実です。おそらく今後何年にもわたるであろう復興の取り組みを進めていくためには、「子どもたちが希望と夢を持ち続けること」「若者たちが復興を進めるために必要なリーダーシップを身につけ、活用していくこと」「世界に東北の"今"を伝え続け、東北の学びを世界の学びにしていくこと」が大切だとJFSでは考えています。

「持続可能な社会に向けた日本の先進的な取り組みを世界に発信することで、世界と日本を持続可能な方向へ一歩でも二歩でも推し進めていく」ことをミッションとして活動を開始して10年になる環境NGOジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)では、このたび、日本興亜損害保険株式会社の「Eco-Net 約款」等のご利用に応じた義援金から寄付をいただき、被災地支援を始めることになりました。

JFSでは、これまでにも若者とのプロジェクトや子ども未来創造プロジェクトなどを展開し、「持続可能な社会に向かうために必要な、若い世代の希望や能力をはぐくみ支えること」にも取り組んできました。

これらの経験を活かし、大震災の被害の大きかった東北3県を中心に、東北の今を見つめながら、子どもたちが未来への希望を育むこと、若者たちの復興リーダーシップ力を育成することを支援し、東北の学びを世界の人々と共有するためのプロジェクトを進めていきます。


■プロジェクト1「東北子ども未来公演」

東北の被災地の子どもたちが、大変な状況の中でも勇気と優しさを失わずにがんばっていることを応援し、被災地以外の人々や世界の人々にもその元気と知恵を伝えていきたい――。その思いから、被災地の子どもたちの演劇・芸能・音楽などの公演を中心とするイベントを被災地の人々とともに企画し、公演までの道のりや子どもたちの想いや成長のようすを世界にも伝え、公演を首都圏で開催します。多くの人々の心に伝えるお手伝いをすることで、子どもたちの希望と夢を育む力を応援します。


■プロジェクト2「世界が東北から学ぶ旅」

世界から6人の学生を東北への学びの旅へ招待し、東北の学生6人と共に被災地を訪ね、被災された人々や復興に取り組む人々の生の声に触れながら、3.11以降の軌跡と今を見つめます。システム思考/学習する組織/対話の経験豊かなファシリテータが同行し、参加者の多様な視点を引き出す対話を重ね、学びを多層的なものとします。

旅の最後には、学生たちが被災地で得た学びと、未来への想い・希望を自分なりにまとめて世界に伝える場を設けます。学生たちの学び、成長、そして世界へのメッセ-ジを、映像と共に世界へ発信することで、若者たちの感受性や能力育成を支援しつつ、東北の学びを世界の人々と共有します。

「世界が東北から学ぶ旅」へのお誘い

参加する学生は、現地の人々に出会い、通常では経験することのない状況に直に接する機会だけでなく、学習するグループ内、あるいは外部から、さまざまなものの見方を学び、各自およびグループ学習のプロセスを経て、深く自己探求をすることができます。

さらに、若手リーダーとなり得る学生の能力開発は、東北の復興に必要な、もっとしなやかな社会システムを作っていく上で大いに役立ちます。JFSはここでの学生たちの学びが、世界がもっとしなやかで持続可能なものになっていくための重要な事例を提供するものであってほしいと思っています。そして今度は、日本国外での学びが日本や東北地方へフィードバックや新たな視点をもたらすものになるでしょう。


■プロジェクト3「復興を担う若手リーダー育成」

東北の復興に向けて奮闘する若者たちを募り、未来創造に必要なリーダーシップ能力を育む講座を開催します。未来創造には、多様な利害関係者が関わりつつ、複雑な現実から問題構造のツボを見抜く「システム思考力」、利害関係者たちの間で共創的な対話を引き出す「対話力」、そして共有ビジョンを育む「ビジョン力」が求められます。そういった力をつけるための研修を実施した後、参加した若者たちのその後の活動をコーチ役やアドバイザー役として支えるとともに、参加者たちが自分たちで学び、共有していける場を設けて、東北復興のための若手リーダーの成長を支援します。


これから、これらの3つのプロジェクトを進めながら、被災地と世界を繋げつつ、JFSとしての支援を進めていく予定です。

今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いします。


(枝廣淳子)

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