エネルギー・地球温暖化

2011年06月21日

 

IPCCに向けた気候変動予測研究結果 発表される

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関  政府 

 

独立行政法人海洋研究開発機構、国立大学法人東京大学大気海洋研究所、気象庁気象研究所は2011年2月23日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)に向けた気候変動予測の数値実験結果から新たな知見が出たと発表した。

地球環境予測では、将来のCO2などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源のCO2排出量を求めたところ、温度上昇を2℃以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源のCO2排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かった。

近未来予測では、人為要因による温暖化と自然の気候変動の両方を予測できる可能性が示された。特に過去10年全球温度上昇が鈍ったかにも見えたが、これからの10年は温暖化が本格化することが予想される。

極端現象予測では、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かった。今後、必要な追加実験を実施し、詳細な解析を行うことで、IPCC AR5に大きく貢献することが期待される。

これらの研究は、文部科学省の「21世紀気候変動予測革新プログラム」で実施されている。

3省庁合同で「日本の気候変動とその影響」発表(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/029604.html

登録日時:2011/06/21 06:00:15 AM

English  

 

参照元

IPCCに向けた主要な数値実験の終了とその成果
~ 世界の気候変動研究を先導 ~
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20110223/


 

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