ニュースレター

2003年07月01日

 

最小の資源で最大の効果を - リコー・グループ

Keywords:  ニュースレター 

 

JFS ニュースレター No.10 (2003年6月号)
シリーズ:ゼロエミッションをめざして 第2回 
http://www.ricoh.co.jp/ecology/

2002年10月号のJFSニュースレター(Nol.2)では、アサヒビールのゼロエミッション活動をお伝えいたしました。今回は、OA機器の世界的サプライヤー、リコーのゼロエミッション活動を紹介します。

リコーグループは、複写機やプリンターなどの事務機器・情報機器を中心に、光学機器やデバイス製品などの開発・生産・販売・サービス・リサイクルなどの事業を展開している企業グループです。1936年に日本で設立され、現在は世界5極 (日本、米州、欧州、中国、アジア・パシフィック)で事業を展開し、全世界に7万4千人を超える従業員がいます。

同社は、環境保全と利益創出を同時に実現することを掲げ、実際にそれを行っている数少ない企業の一つです。2001年度のリコーグループの年間売上高は1.6兆円、純利益は600億円超で、10期連続の増益を達成。同時に、CO2排出量の90年度比13.8%削減、また国内外のすべての生産系事業所における再資源化率100%(ごみゼロ)を達成しています。

2003年1月には、こうした活動実績からWECゴールドメダルの受賞が決定しました。これは、環境活動と持続可能性の発展に寄与する卓越した産業界のリーダーを全世界の中から毎年1社表彰する制度で、リコーはアジア企業でははじめての受賞となります。
http://www.ricoh.co.jp/release/by_field/environment/2003/0114.html

リコーの環境経営の基盤にあるのは、最小の資源で最大の効果を生み出す循環型社会を表現した独自のコンセプト「コメットサークル」です。
http://www.ricoh.co.jp/ecology/management/concept.html

同コンセプトは、製品作りでのモノの流れとリサイクルの相関関係をユーザーを経由する複数のループで表し、サークルの「内側」のループに行くほど資源が無駄なく循環し、環境負荷が少なくなることを示しています。

上記の生産系事業所でのごみゼロ達成は、このサークルにおいては更に高いレベルのリサイクル活動への出発点であると同社は考えています。つまり、より環境負荷の低い循環を実現するために、サークルのより「外側」のループ、つまり熱エネルギー回収やケミカルリサイクル、或いは最終処分業者にわたるオープンループで発生する環境負荷を削減していくことが重要だということです。

リコーは今、仕入先やリサイクル事業のパートナーなどと協力し、それぞれのパートナーが発生させる環境負荷が少なくなるように、また、資材の投入そのものを減らしてアウトプットそのもの (2002年度廃棄物総発生量は日本で27,600トン、日本以外で約17,200トン)を抑えるように活動を進めています。

リコーの環境経営の特徴の一つとして、日本で先行していた「ごみゼロ」という文化を、地球規模で開花させていることがあります。ごみゼロを文化の違う場所で達成するための重要なポイントとして、社員の意識啓発と各地域の独自性尊重を挙げています。

例えば、多民族国家であり土地が広大な米国ではごみに対する考え方や文化も日本と大きく異なります。例えばカリフォルニア州では大気汚染の方がより切実な問題ということもあり、当初はなぜ「埋め立てをゼロにする必要があるか」と抵抗感も当然ありました。

しかし推進スタッフ全員でごみゼロを達成した工場のツアーを繰り返し行い、「埋め立て地に残された有害物質は子どもや孫に必ず影響を与えることになる」ことを認識させ、再生資源を利用した凧揚げ競技会や分別コンテストなど独自の工夫を徹底して、コスト削減にもつながる様々な活動を展開しました。分別カートには、社員のアイデアで社員の子どもたちの写真が貼られ、子どもたちの未来のことを考えて今分別をしっかりしようという社員自らの意識が現れています。

またメキシコの工場でも同様に活動を進めていますが、壁画には次のような言葉かかれ、スタッフに日々インスピレーションを提供しています。「神曰く、緑の自然を愛している。鳥のさえずりを愛している。緑の翡翠を愛している。花の香りを愛している。そして、それ以上に、それらを大切にする人間を愛している。」

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