ニュースレター

2003年06月01日

 

日本のエネルギーの現状 供給

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JFS ニュースレター No.9 (2003年5月号)

日本の一次エネルギー供給は、1973年に4億4100万kl(原油換算)だったのか、90年に5億2600万kl、2000年には6億400万klへと増加しています。

エネルギー源別の一次エネルギー供給割合の推移は、以下の通りです。

1973年 1990年 2000年(速報値)
石油 77% 58% 52%
石炭 15% 17% 18%
天然ガス 2% 10% 13%
原子力 1% 9% 12%
水力 4% 4% 3%
地熱 0% 0.1% 0.2%
新エネルギー等 1% 1% 1%

石油が最大のエネルギー源で、石油は100%輸入に頼っており、現在、石油輸入量の約8割が中東からの輸入となっています。石油危機後、石油への依存度は大きく低下し、原子力や天然ガスのウェイトが大きく延びています。

発電電力量は、1973年の3790億kWhから、90年には7380億kWh、2000年には9400億kWhへと伸びています。

日本のエネルギー供給のうち、地熱や国産の石炭・天然ガス、新エネルギーなどの占める自給率は、1960年には約56%でしたが、70年には14%、80年には6%、90年には5%、1999年には4%と、激減しています。

自給率に原子力も含めた場合は、70年に15%、80年に12%、90年に17%、1999年に20%程度となります。

発電電力量の電源別割合の推移は

1973年 1990年 2000年(速報値)
石油等火力 73% 29% 11%
石炭火力 5% 10% 18%
LNG火力 2% 22% 26%
原子力 3% 27% 34%
水力 17% 12% 10%
新エネルギー - - 0.2%

日本での商業用原子力発電がはじまったのは、1966年7月でした。その後、原子力発電は着実な伸びを示し、2002年8月現在、運転中の原子力発電所は53基、発電設備容量は4590.7万kWとなっています。また、4基(合計出力411.8万kW)が建設中で、さらに8基が建設準備中の段階です。

(2002年夏に、東京電力の原子力発電所の点検・補修業務に関して、事実隠しや記録の修正等の不適切な取り扱いがあったことがわかり、その後、点検のため、全17基を止めていました。5月9日にうち1基が運転を再開していますが、東京電力の原子力発電所16基は現在休止中です)

「地球温暖化対策推進大綱」に「今後2010年度までのあいだに、原子力発電電力量を2000年度と比較して約3割増加することをめざした原子力発電所の新増設が必要である」とあるように、政府は「原子力の推進」を取り組みの主要な柱のひとつと位置づけています。

しかし、原子力の安全性や核廃棄物の問題、地震の原発への影響(日本は地震国であり、発生が予想されている東海地震などで影響を受ける場所に立地している原発もあります)などに危機感を持つ市民などの強い反発を受け、立地確保や建設は予定どおり進んでいません。

一方、現在は一次エネルギー総供給量に占める割合は1%台に過ぎない「新エネルギー」は、「長期的には日本のエネルギーの一翼を担うことをめざす」と位置づけられています。また、新技術の開発や新市場の創出を通じて、経済の活性化や雇用創出にもつながると期待されています。

「新エネルギー」とは、日本独自の定義で、太陽エネルギーや風力などの自然エネルギー、廃棄物発電などのリサイクル型エネルギー、燃料電池や天然ガスコージェネレーションなどの従来型エネルギーの新しい利用形態を指します。

新エネルギーは、「技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面から普及が十分でないもので、石油に代わるエネルギーの導入を図るために特に必要なもの」と政策的に定義されています。そのため、実用化段階に達した水力発電などや研究開発段階にある波力発電などは、自然エネルギーであっても新エネルギーには指定されていません。

具体的には、太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、バイオマス発電、燃料電池、廃棄物発電などの取り組みによって、2010年度までに1910万klの新エネルギー導入をめざしています。

日本の再生可能エネルギーの現状と取り組みについては、次号のニュースレターでご紹介したいと思います。

(以上、エネルギーに関するデータは、経済産業省、資源エネルギー庁および省エネルギーセンターより)

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