ニュースレター

2003年01月01日

 

エコプロダクツ展参加者のレポート

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JFS ニュースレター No.4 (2002年12月号)

エコプロダクツ展外国人ツアー参加者からのレポートです。

------------ここから参加レポート-------------

12月7日 東京ビッグサイトでの2002年度エコプロダクツ展

「リデュース(省資源)、リユーズ(再利用)、リサイクル(再循環)がこのイベントのテーマです」と、エコプロダクツ展の主催者である日本経済新聞の盛田さんは述べておられました。JFSが特別ツアーを企画してくださったおかげで、我々外国人も、日本の事情についてより詳しく知ることができました。

「リユーズ」と「リサイクル」というテーマは、私たちが目にした多くの製品、とりわけプラスチック製品と紙製品に具現されていました。私たちはまた、富士写真フィルムの使い捨てカメラが、撮影済みのフィルムを抜き取られた後、再利用可能な個々の部品に分解されるのも見学しました。

松下電器産業は、新たに日本国内で建設した工場をビデオで紹介していましたが、ここでは「商品から商品へ(使用済み製品から新製品を作ること)」コンセプトが実現されています。リサイクルは、日本の今日の文化に深く浸透しています。

とはいえ、困難が全くないわけではありません。たとえば、再生紙を高い割合で使用すると紙の白色度が低下するといったようなことですが、これは企業や消費者がどこまで受け入れられるかということへの挑戦となるでしょう。このような変化は、主に2001年4月に施行された新しいリサイクル法を受けて起こっています。

省資源についても、注目に値するものがありました。特に、日本経済新聞による同じワット数を持つ蛍光電球の比較展示では、その重量が12年かけて390gから95gへと75%軽量化されたことが示されていました。

松下電器産業のブースでは、冷蔵庫用に開発された U-Vacua という断熱材が紹介されていましたが、同じ厚さの従来の断熱材より10倍も効果が高いそうです。こうした展示品は、本当にすばらしいものでした。

その一方で、環境面であまり好ましくなかったのは、従来どおりの「美人コンパニオン」を使ったブースでの売り込みや、本来の「リデュース」に反する不必要な配布物などが多く目に付いたことです。

このほかにも私はこの展示会で2つのテーマについて学びました。1つは地球温暖化、そしてもう1つは環境教育についてです。地球温暖化については、私が手にしたほとんどの資料で触れられていました。ナショナルの冷蔵庫に使用されている「HC‐600」という新しい冷却用冷媒は、現在使用されている冷媒「HFC‐134‐a」に比べると、温室効果ガスの排出量がおよそ400分の1だということです。この「HFC‐134‐a」は、オゾン層の破壊を引き起こす「CFC」の代替冷媒だったものです。つまり、時に私たちは、直進せずに回り道をすることもあるのです。

東日本旅客鉄道(JR東日本)のブースでは、なんと毎日1,600万人の人がJRを利用しているという説明がありました!電車を1km走らせたときのCO2の排出量は、車の約10分の1であることを考えると、これは心強いことです。また、JRの車両走行によるCO2排出量は、1990年の水準から17%減少しています。

エキサイティングな変化だと思ったのは、来年2月から実施される新たなエネルギー計画についてです。これは、消費者がグリーン電力購入を選択できるというものです。現在、使用電力量1kWh当たりのCO2排出量は約400gですが、これをグリーン電力によってゼロにするには1kWh当たり6円の割増料金が発生します。これは、1tあたりにすると13,500円 (108US$) となり、現在のCO2の市場価格帯での高めの水準になると思われます

環境教育も、この展示会における重要なテーマでした。人材派遣会社のグレイスでは、学生や登録希望者に環境について広く知ってもらうためのセミナーを開いています。また同社では、登録希望者を各人の環境意識にもとづいて審査しています。適切な人材の採用は、環境を重視する企業文化を全社規模で押し進めていくうえでの鍵となります。

西友その他が後援するエコ・サミットでは、小学校4年生-6年生の子供たちによるパネル・ディスカッションが開かれました。子供たちは、意識・取り組みともに世界の環境先進国であるスウェーデンを訪れ、現地で学んだことやアイデアを持って日本に帰ってきました。私たちが感銘を受けた彼らの意見、提案、希望を、いくつかここにご紹介しましょう。

- なぜ私たちは規則がないと正しく振る舞えないの? スウェーデン人のように 原則にもとづいて行動すればいいのでは?
- 大人は子供の意見を聞くべきだ
- どうして子供と主婦だけがゴミ拾いをして、政府や企業はしないの?
- 大人は率先して(環境のために)行動を起こすべきだ
- 私たち子供が望んでいるのは、緑豊かできれいな町
- 自己中心的な考え方を捨てよう

エコプロダクツ展は、商品の選び方ひとつでいかに環境が改善できるかについて、多くの情報を消費者に投げかけた、すばらしい展示会でした。ここに並んだ製品をアメリカで売られている製品と比較してみると、日本は、かつて品質において達成したのと同様の競争力の水準を、環境面においても打ち立てつつあるということが言えます。

私は、ここで目にした企業‐社会‐環境の協力関係が、日本を21世紀へと力強く導いてくれるものと考えます。このツアーを企画してくださったJFS、通訳をしてくださった枝廣さんに感謝します。

------------参加レポートここまで-------------

最後に、ニュースレターの読者からのフィードバックをご紹介します。

「第3号のニュースレターは第一級だったよ。特に交通分野に関する情報がとても有益だった」(レスター・ブラウン アースポリシー研究所所長・JFS理事)

みなさまからのフィードバックやコメントをお待ちしています。

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