2004年04月27日
繊維大手帝人グループの帝人ファイバーが、使用済みのペットボトルを化学分解法によって分解し再び飲料用ペットボトルにリサイクルする技術を開発し、その実用化に成功、「ボトルto ボトル」リサイクルと名づけ、2003年11月から操業を始めた。
食品安全委員会の「ゴーサイン」が出しだい、2004年前半にもこの再生ペットボトルに入った飲料がスーパー、コンビニなどの棚に並ぶことになる。
これまで使用済みペットボトルは砕いたり、溶かしたりして再生樹脂をつくり、それを加工するというやり方でリサイクルされてきた。この方法ではどうしても不純物を完全に除去することができず、透明度も低くなることから、再生される分野は衣料用繊維、シート、卵のパック、トレーなどに限定される。
化学分解法は回収ボトルを分子レベルにまで分解し、それをさらに精製して、石油から製造するPET樹脂原料と全く同等の高純度の原料を得るもの。そのため石油から製造するペットボトルと全く同じ品質の再生ペットボトルをつくることができる。
同社は年間6万2000トンの使用済みボトル(500mlボトル20億本)から5万トンの再生樹脂を生産する計画。この「完全循環型」リサイクルにより、石油資源の消費を減らすことができるばかりでなく、ペットボトルの焼却処分を行わなくてすむことから消費エネルギー、CO2排出量も大きく削減されるものと期待される。
登録日時: 2004/04/27 02:12:55 PM
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