2004年03月24日
Keywords: 地球温暖化 NGO・市民 生態系・生物多様性
世界各地の熱帯雨林は、凄まじい勢いで失われつつある。1950年には地表の15%が熱帯雨林に覆われていたが、現在では6%まで減少。特にインドネシア・カリマンタン島では、1997-98年に大森林火災が発生し、570万haに及ぶ広大な熱帯雨林が姿を消した。これにより、絶滅危惧種に指定されているオランウータンが数多く犠牲となったほか、森林の消失によって大量の二酸化炭素が放出される結果となった。
こうした状況を改善するためNPO法人アジア植林友好協会は、「生命(いのち)の森づくり」プロジェクトを展開。これは、1口5000円でサポーターを募り、1口に付き2本の木をインドネシア東カリマンタン州バリックパパンに植林するというものだ。
具体的には、(1)果樹または熱帯自生種、(2)持続可能な生産木材ゴールデン・バイオ・チーク--の苗木を1口当たり1本ずつ、計2本植林する。なお、(1)はオランウータンを保護するため、国際動物愛護団体BOSF(*)の敷地内に、(2)は地域住民の民生向上と天然木の伐採を防ぐために植え付けるもの。
植林された2本の木は、10年間に合計192kgの二酸化炭素を吸収。これは、1人の人間が一般生活で排出する二酸化炭素の約7カ月分に相当する。このプロジェクトは、自ら排出する二酸化炭素をオフセットしつつ、熱帯雨林を再生し、持続可能な木材供給を可能にしようという取り組み。同協会では今後、こうした活動をベトナム、フィリピン、日本国内など、アジア各国に拡大させていく計画だ。
(*)BOSF:ボルネオ オランウータン サバイバル ファンデーション。1991年から約700頭のオランウータンを保護し、森へ戻す活動を展開している
http://www.agfn.org
http://www.bos-japan.jp/
登録日時: 2004/03/24 09:00:38 AM
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