エネルギー・地球温暖化

2003年12月08日

 

カエデの紅葉時期、50年前より2週間遅く

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関  政府  生態系・生物多様性 

 

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気象庁が行っている生物季節観測(※1)によれば、イロハカエデの紅葉日が1953-2000年の間に約2週間遅くなった。その傾向は特に1970年代後半から顕著に現れている。

カエデの紅葉日の観測は、各地の気象台・測候所で行っており、それぞれの標本木の8割程度が赤くなった日をその地点の紅葉日としている。図は、資料の整っている全国44地点における紅葉日の平年差(※2)を平均し、全国的な紅葉日の遅速が年とともにどのように変化したかを示したものである。

1970年代中ごろまでは、平年差がマイナス(平均値より紅葉が始まるのが早い)の年が多かったが、1970年代後半以降は、わずかの例外を除き平年より紅葉日がどんどん遅くなり、1980年代後半以降は平年差がプラス5-10日以上となってきている。

一方、日本の平均気温も1901-2000年の100年の間に約1℃上昇しており、東京について言えば、1960年代の平年差-0.5℃、1970年代-0.3℃、1980年代-0.1℃、1990年代 0.5℃と特に1990年代の上昇率が際立っている。カエデの紅葉は初秋の気温に左右されるため、紅葉時期が遅くなっている原因の1つとして地球温暖化の影響を受けていると考えられる。

(※1)生物季節観測:気象庁が毎年行っている、気象台や測候所の周辺で、植物や動物の行動が季節によって変化する月日の記録。生物季節観測の累年データは気候変動や環境の変化を表す指標の1つとなる。
(※2)平年値からの差。現在使用している平年値は1971-2000年の30年間の観測値から算出。




http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html




登録日時: 2003/12/08 10:35:32 PM

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