木質バイオマスから水素を製造する商用プラント　2012年４月に稼動へ

石油販売大手の新出光（IDEX）が100％出資する子会社・イデックスエコエナジーが福岡県大牟田エコタウンに建設した世界初の木質バイオマスから水素を製造する商用プラントが完成し、2011年10月17日に竣工式を行った。性能確認試験等の準備期間を経て2012年４月より本格稼働する。

このバイオマス水素事業は、周辺地域から出る間伐材による木質チップを原料とする地産地消型のエネルギーを生み出す。農林水産省の「地域資源利用型産業創出緊急対策事業」に採択され、総事業費約21億円のうち約15億円を国が補助。

日本計画機構が保有する技術を用い、従来の天然ガス由来の水素と比べて、製造時において約75％の二酸化炭素削減が可能になる。１日15トン（乾燥重量）の木質チップから7,200立方メートルの水素ガス（純度99.99％以上）を製造する計画で、製造した水素は、当面は工業用水素として新出光が販売する。

同社では、将来的な水素社会の到来を見据えて、バイオマス水素を水素ステーションや家庭用燃料電池のエネルギー源に利用することで、地域活性化につながるエネルギーの地産地消の取り組む考え。

新出光、木質チップから水素を製造する世界初の商用プラント建設(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/030144.html
木材から水素の連続生産に成功(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/023599.html

登録日時：2012/03/13 06:00:15 AM