3R・廃棄物

2003年09月27日

 

下水汚泥で火力発電

Keywords:  3R・廃棄物  企業(非製造業)  再生可能エネルギー 

 

電源開発(以下「J-POWER」)は、2003年8月より長崎県にある松浦火力発電所で、下水汚泥を原料として発電するバイオソリッド燃料混焼実機試験を行う。事業用火力発電所で乾燥下水汚泥燃料(以下「バイオソリッド燃料」)を利用する国内最初の事例となる。

バイオソリッド燃料とは、下水処理場から排出される下水汚泥を減圧下で廃食用油と混合し100℃程度に加熱することで、熱量21,000-25,000kJ/kg(5,000-6,000kcal/kg)、水分5%程度、顆粒状の石炭に類似した燃料にしたもの。小型試験用ボイラでの混焼試験により、石炭火力発電所の混焼用燃料として適応可能との評価が得られている。この実機試験では、石炭消費量に対して平均0.07%(最大混焼率試験時1%)のバイオソリッド燃料を混焼する。試験期間は、2003年8月下旬から1年間の予定。

日本では、下水処理により下水汚泥が、現在全国で年間約7,500万トン(約200万トン・乾燥汚泥ベース)年間に発生し、全産業廃棄物全体の約18%を占めている。ほとんどの地方公共団体では焼却、溶融、コンポスト化、埋立等の方法で処理しているが、有効利用は全体の約60%にとどまっており、残りは埋立処分されている。

石炭火力発電所向け化石代替燃料(バイオマスエネルギー)としてリサイクルできるようになれば、長期的かつ安定的に下水汚泥を有効利用することが可能となり、循環型社会や地球環境に貢献すると期待されている。






登録日時: 2003/09/27 11:51:58 AM

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