2003年07月21日
Keywords: 3R・廃棄物 NGO・市民 地方自治体 生態系・生物多様性 食糧
日本の代表的な動物園である上野動物園では、2002年からリサイクル餌を採り入れ始め、現在、6種類のリサイクル餌が動物たちに提供されている。
近くのお豆腐やさんから毎日運び込まれる18キロもの新鮮なおからは、5頭のカバがペロリ。週2回これもパン屋さんの好意で定期的に納入される大量のパンのミミはゾウ、北極グマなどの大好物だ。
新潟県の漁業関係者からは、普通は捨てられる採卵後のサケが提供され、ヒグマ、北極グマは大喜び。
また、新潟は錦鯉の有名な産地であるが、錦鯉が市場に出荷されるまでには数回の稚ゴイの間引きが行われる。この稚ゴイはさまざまな用途に活用されてはいるが、90%以上は廃棄処分に。この稚ゴイが100キロ、数回にわけて上野動物園に送られ、クマ、ペリカン、コウノトリなどの餌に。
長野県からは送られてくるブラックバス、ブルーギルは、ペリカン、北極グマの大好物。北米原産のブラックバス、ブルーギルが日本に入ってきて30年たつが、日本各地で大繁殖して在来の魚を食い尽くしてしまうため、漁業関係者が駆除したものが送られてくる。
これらのリサイクル餌は関係者の好意で運送費ともほぼ無料で送られ、動物園にとっては年間数百万円もの節約となっている。
しかし、人間が食べても良い品質のもので、なおかつその動物が本来食べているものに近いという条件をクリアする必要があるため、リサイクル餌のレパートリー拡大はなかなか容易なことではないという。
登録日時: 2003/07/21 10:48:57 AM
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