2003年06月19日
産業技術総合研究所関西センターは、リサイクルが難しいために現在その多くが埋立て処分されている着色ガラスを再資源化する方法を開発した。
着色ガラスは、着色剤として微量の金属イオンが添加されているためその再利用が困難だった。しかし今回の研究により、ホウ酸処理技術を用いて、廃ガラスから着色金属、アルカリを除去し、無色透明なシリカ(珪素酸化物SiO2)を得ることに成功。これを焼成すると無色のガラスとなる。
この研究では、さらに得られたシリカから、高付加価値なリサイクル品となる透明で安定した酸化物蛍光ガラスの作製も行った。高付加価値な素材への再生で、高コストにより敬遠されがちなリサイクルの問題も解決できると期待されている。
この蛍光ガラスは耐熱性や化学的耐久性にも優れている。用途として、昼間は自然光を利用した透明の材料として、夜間は蛍光の特徴を活かした交通危険認識マーカー等への使用、水中での使用なども考えられる。また、このガラスは再び同じ蛍光ガラスの原料として使用できるため、その後のリサイクルは容易である。
実用化に向けての課題として、酸処理後の排水からホウ酸を回収し、再度利用するという閉鎖系の処理体系の仕組み作りが挙げられるが、同センターではこの課題の克服は十分可能であると考えている
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2003/pr20030507/pr20030507.html
登録日時: 2003/06/19 08:25:29 AM
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