2002年12月30日
Keywords: 3R・廃棄物 エコ・ソーシャルビジネス 企業(製造業) 化学物質 地方自治体
太平洋セメント株式会社は埼玉県日高市(人口5万4千人)から出る都市ゴミの全量をそのまま同社の埼玉工場で処理した後、セメントの原料として再資源化する取り組みを始めた。
具体的には、日高市の家庭から排出されたごみや事業系一般ごみをそのままセメント工場で受け入れ、セメント焼成窯を改造した「ゴミ資源化キルン」にて約3日間、送風により好気性醗酵させる。その後、一部使用不可能な異物を取り除いた全てをセメントの材料として用いる。
特徴としては、1)ゴミをそのまま醗酵させるので、焼却炉が不要となる、2)ゴミの醗酵過程で発生するガスは、セメント焼成窯の燃焼用空気として利用される、3)再資源に生まれ変わった醗酵後のゴミは、セメントの材料として1450度という高温で焼成されるためダイオキシンなど悪性の物質が発生しない、4)焼却後の灰など二次廃棄物が発生しないため、最終処分場が不要となる、などが挙げられる。
日高市は、処理の対象量を年間14,800トン(1日約60トン)と見積もっている。太平洋セメントに支払う1トンにつき39,000円の処理費用は現在の焼却処理費用より高額だが、焼却施設や焼却灰の最終処分場が不要となるため負担は軽いという。
http://www.taiheiyo-cement.co.jp/index.html
登録日時: 2002/12/30 06:12:16 AM
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