エネルギー・地球温暖化

2014年09月21日

 

コミュニティパワー元年、地域主体の自然エネルギー事業に注目 ~「自然エネルギー白書2014」から見えること

Keywords:  再生可能エネルギー  エネルギー政策 

 

写真:コミュニティパワー国際会議2014
Copyright 環境エネルギー政策研究所 All Rights Reserved.

日本における、国や地方自治体の自然エネルギー政策の現状や、各地域での事業化の検討状況などについて、環境エネルギー政策研究所(ISEP)の編集により2014年3月に発行された「自然エネルギー白書2014」からご紹介します。

「自然エネルギー白書2014」 http://www.isep.or.jp/jsr2014

東日本大震災と福島原発事故から3年が経過し、エネルギー基本計画の見直しや電力システム改革、固定価格買取(FIT)制度による自然エネルギーによる発電設備の導入が急速に進む中、様々な地域や業界で自然エネルギー事業への参入や参画が進んでいます。その9割以上は太陽光発電であり、事業化までの期間が比較的短いことや規制が少ないことが有利になっていると同白書は分析しています。

グラフ:FIT設備認定 累積設備容量
Copyright 環境エネルギー政策研究所 All Rights Reserved.

また、地域での事業化において、大規模な設備については人材や資金の豊富な大企業が有利に展開していると言われていますが、比較的小規模な出力の太陽光発電の事業を中心に地域の事業者や市民が主体となり、地方自治体がそれを支援する自然エネルギー事業が少しずつ増えていることも紹介されています。

特に2013年以降、「コミュニティパワー元年」ともいえる地域主体の自然エネルギー事業が全国の各地域で展開されています。地域での合意形成、人材の育成、事業主体の立ち上げ、地域が中心となる事業のスキーム、地域の金融機関を巻き込んだ市民出資などの資金調達、様々な分野に渡る現状と課題、その解決の方向性や事業の事例が同白書には示されています。

世界全体の自然エネルギーの動向をまとめたREN21編の「自然エネルギー世界白書2014」も6月に発行され、最新の世界の状況を伝えています。世界白書によれば、自然エネルギー市場の成長が欧州から中国等の新興国にシフトし、日本も太陽光発電市場で第2位に、市場規模の金額で第3位となりました。多くの課題を抱えながらも急成長する日本の自然エネルギー市場の行方に世界も注目しています。

環境エネルギー政策研究所(ISEP)
松原弘直

English  

 

 

このページの先頭へ