エネルギー・地球温暖化

2014年03月02日

 

中京大学、竹炭で放射性物質の吸着・除去の可能性を検証

Keywords:  原子力  化学物質  大学・研究機関 

 

写真:「竹炭プロジェクト」全体の流れ
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中京大学工学部の研究グループ は2013年11月25日、竹炭がヨウ素やセシウムを吸着する優れた特性を持つという実験結果を発表した。実験では、粉にした竹炭とゼオライトを用いて、ヨウ素とセシウムの吸着能力を比較した結果、竹炭はゼオライトの5倍以上のヨウ素を吸着し、セシウムでは74%の吸着力があった。

現在、福島第一原発事故による放射性物質の除去はゼオライトが使用されているが、輸送や製造コストが高い上、汚染水や汚染土壌の保管スペースが膨大になるといった問題がある。同原発内にある汚染水のセシウム濃度を約1,200ベクレル/リットルとすると、竹炭約10キロで、25mプール一杯分にあたる約36万リットルの汚染水に含まれるセシウムを吸着できる計算になる。また竹炭は燃焼することで吸着したセシウムなどを濃縮して取り出せるため、保管スペースが少なくて済む。

同大学ではキャンパス内に竹炭を作る窯を設置し、吸着特性の優れた竹炭の製法などの検討を進める一方で、竹炭を粉末・ペースト状にして網や不織布に塗布した製品の開発を企業と共に進めている。近年、手入れされず放置されている竹林が問題となっており、放射性物質の除去に竹炭を活用することで、一石二鳥の効果が期待できるとしている。

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