生物多様性・食糧・水

2014年01月06日

 

食料自給率アップをめざすフード・アクション・ニッポンアワード発表

Keywords:  食糧  エコ・ソーシャルビジネス  政府 

 

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国産農産物の消費拡大を目的とした農林水産省の取り組み「フード・アクション・ニッポン(FAN)」は2013年12月3日、優れた取り組みを表彰する「FANアワード2013」を発表した。商品、販売促進・消費促進などの部門ごとに、合計55の事業者・団体が受賞した。

大賞に輝いたのは、国産米を100%使用した「キリンにっぽん米茶」を開発・販売するキリンビバレッジ。同社では、全国民がペットボトル1本(555ml)の米茶を毎日飲むことで、米の消費量が約4%アップすると試算。国産農産物全体の消費拡大にもつながると見る。米のみで作られたお茶をペットボトルで販売した例は過去にない。

商品部門の最優秀賞には、有機食材の宅配などを手がける大地を守る会が選ばれた。「棚田の米が食べたい」という会員の声を受け、全国6カ所の生産者と契約し、農薬・化学肥料不使用の棚田米を販売している。日本の原風景である美しい棚田文化の継承にもつながると考えている。

販売促進・消費促進では、ハンバーガー専門店「モスバーガー」を全国展開するモスフードサービスが最優秀賞に選ばれた。3100軒の農家の協力を得て、産直の新鮮な野菜を用いたハンバーガーを提供している点が評価された。店舗スタッフ自ら収穫にもかかわり、生産者と消費者をつなぐ役割を果たしている。

半世紀前には7割を越えていた日本の食料自給率は、近年40%(カロリーベース)前後で推移し、先進国の中でも際立って低い。TPPに参加すれば、安価な輸入農水産物の増加により、さらに低下すると懸念する声もある。

実行委員長を務めた小泉武夫・東京農業大学名誉教授は、「和食が無形文化遺産に登録されても、肝心の食材が外国産ではいかがなものか」と語り、FANの取り組みにより、国産食材の消費がいっそう促進されるよう期待を込めた。

小島和子


 

 

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