エネルギー・地球温暖化

2006年08月31日

 

産総研 太陽熱エネルギーを自動制御する窓ガラスを開発

Keywords:  再生可能エネルギー  大学・研究機関  政府  環境技術 

 

独立行政法人産業技術総合研究所は、2004年10月27日に開発成功を発表した環境温度によって自動的に太陽熱エネルギーの取り込みを制御するガラスに関して、2005年5月から日本板硝子との間で実用化へ向けた共同研究を進めている。当初の25ミリ角サイズから、住宅用窓ガラスサイズを目指してのサイズ拡張が着実に進んでいる。
(開発成功の記事は以下を参照のこと)
http://www.japanfs.org/db/950-j

今回の開発は、ガラスの表面に半導体材料、光触媒材料、その他からなる多層薄膜をコーティングし、温度によって光学的性質が変化する薄膜の特性を利用して、環境温度に応じて太陽熱の取得量を変化させるもの。紫外線はほぼ全面的に遮断、可視光は常に透過させ、暑さ、暖かさを感じる近赤外部分は気温の変化に応じて透過量を自動的に制御する。遠赤外線領域では高い反射率を示すので、断熱効果ももつことになる。

近年、省エネ型窓ガラスの需要の増加に応じて、複層ガラスや真空ガラス等の断熱ガラスが市販され、夏期、冬期の冷暖房負荷の低減に効果をあげている。これら断熱ガラスが外気温と室内気温との間の熱伝達を抑制するのに対し、今回開発されたガラスは、ガラスを通して入ってくる太陽熱の量を自動的に制御しようとするもの。さらに高断熱性機能ももつので、これまでにない高い省エネ効果の実現が期待される。

同研究所と日本板硝子は2008年までに、住宅用の窓ガラスとして従来の省エネガラスとほぼ同様のコストで製品化することを目標にしている。



http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2005/pr20050525/pr20050525.html


産総研、次世代多機能窓ガラスを開発 (関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/db/950-j


登録日時: 2006/08/31 06:45:29 AM

英語記事はこちら


 


 

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