震災からの復興

2015年10月28日

 

悩み聞くサロンの役割

Keywords:  震災復興 

 

写真:悩み聞くサロン
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2015年6月12日に掲載された、市民を支えるサロンの取り組みをご紹介します。

「ベテランママの会」は震災直後の2011年4月に福島県南相馬市で立ち上がりました。想像を絶する修羅場と化した被災地のあられもない姿に、これからは心が病む人が増えるだろうと察し、まずは「傾聴」のボランティアを考えました。小さな子どもを持つ若いママや子どもたち、高齢者のサポートをするのには、子育てが終わった私たちの世代が一番動きやすいのではないかと、「誰かがやらねば」の精神で突き動かされました。

南相馬市には、市立総合病院が特例で研修医受け入れ病院に選定されたこともあり、若い医師やボランティアの方々がたくさん入ってきています。会の事務所が駅前のバス停前であることも幸いしてか、事務所にはたくさんの方がおいでになり、朝から晩まで客人が途絶えない日も少なくありません。お茶はもちろんのこと、ご飯を食べてお帰りになる方もたくさんいて、さながらサロンのような働きをしています。

私たちは、ただの市民団体で、任意で思いついたことを思いつくままに活動していた団体でしたが、先日「日本復興の光大賞」を受賞させていただいたこともあり、ようやく重い腰をあげてNPO化することを決心しました。

教育が復興の要と確信していますので、「学習支援室」の活動では、子供向けのいわゆる学習はもちろん、キャリア教育や大人向けの地域講座や健康講座も考えています。ニットサークルのおばあちゃんたちから「絶対この場所なくさないでね」とありがたい言葉もいただきますので「サロン」の活動も重要です。

また被災地ならではの悩みも抱えていますので「相談室」としても稼動しています。今までしてきたことを継続することが重要だと考えています。先月より始まった「駅マエ保健室」も好評です。こちらは医療関係者からの講話を聴いた後、身近な相談会となり、病院では聴けないまちの保健室として期待されています。

ベテランママの会代表 番場さち子

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