震災からの復興

2015年06月14日

 

再生へ「できること」探る

Keywords:  震災復興 

 

写真:南相馬MAP
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2015年1月16日に掲載された、被災者の復興への思いを具体的な行動につなげるための取り組みについて、ご紹介します。

昨年12月20日、「南相馬メンタルヘルス対策講座」(JKSK主催)に東京から出席しました。6月から計4回、ストレスマネジメントやチームづくり、プロジェクトデザインについて、講師で、JKSK理事長の大和田順子さんと理事の川西由美子さんから学んだ受講者が、2カ月の自主活動を経て発表をしました。主に地元の女性が参加した講座の最終回。大震災と原発事故で被災され、「このままではいけない」「未来に向けて何かをしなければ」という気持ちを何らかの行動に移したいという思いが高まっていました。

「何をどうしたらいいのかわからない」などと暗中模索を繰り返した状態から、「自分たちが必要としているものを」「自分たちができることを」やろうと方向性が定まっていきました。あるチームはまず自分たちが南相馬を知り、外部の皆さんにも知ってもらおうと、メンバーが情報を持ち寄り南相馬の魅力が細部までわかるマップ作りに着手。他のチームは、ヨガや料理などメンバーの得意技を相互に教えあう中から市民の皆さんを元気にする講座が企画されました。

活動報告の中で「思っていることを口に出さないと、自分も変われない」「自分の中の熱い部分が共感してもらえた」「ここでは何をしてもいい、失敗しても大丈夫だと思った」などの感想を聞き、一人一人の成長とメンバー間の強いつながりが伝わってきました。

これらの活動はまだ小さな炎かもしれませんが、皆さんが自ら考え、議論し、合意形成の上で活動につなげたものであり、その熱い思いと強い絆がうかがえました。南相馬が再生し、元気になる起爆剤になってゆくように感じました。そして、ふと南米の少数民族ケチュア族に伝わる、山火事発生時に一羽のハチドリがとった行動、そしてそれを嘲笑う森の仲間たちに話すハチドリの一言が劇的なドラマを引き起こす、「ハチドリのひとしずく」という寓話を思い出しました。

南相馬メンタルヘルス対策講座に参加 小山脩

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