交通・モビリティ

2014年03月27日

 

公共交通で暮らせるコンパクトな街に(富山市)

Keywords:  交通・モビリティ  地方自治体  政策・制度 

 

写真:立山とポートラム
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県庁所在地でも有数の広さを持つ富山市は、少子高齢化時代を踏まえ、『富山型・コンパクトシティ構想』を進めている。公共交通を軸としたコンパクトな街づくりの中心は、車両の低床化、ホームのバリアフリー化、低騒音化などを実現したLRTだ。公共交通の割引制度、祖父母が孫と外出すると公共施設が無料で利用できる『孫とおでかけ支援事業』などを通して、多くの高齢者が外出し、市街地商店街も活性化しているという。

2005年には約28%だった市街地に住む人口は、コンパクトシティ化の結果、2013年に約32%に増加。20年後に42%という目標に向け、駅から500メートル以内の住居建築には市が補助を出すなど、郊外へと拡散を続けてきた従来の流れを変えつつある。道路延長に関わる上下水道整備費用や郊外化が進むことによる行政コストも抑制できるコンパクトシティ化が、少子高齢化が進んだ30年後の富山市民のためでもある。

病気、あるいは介護が必要になる前の段階で健康を維持しようという考えに基づく「富山市角川介護予防センター」のほか、街区の公園で花や野菜を育て、子どもたちとお年寄りの交流をはかるコミュニティーガーデンや、歩行補助車の無料貸出サービスなど、さまざまな取り組みが行われている。

2014年春には、植物栽培工場と用水路の流れを利用した小水力発電システムが稼働を始める。径の小さな水車を縦に重ねることで省スペースを実現、設置も1日ででき、景観も損なわない小水力発電は、東南アジアの観光地などでも活きる技術だ。

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