2006年11月25日
厚生労働省が2006年9月8日に公表した2006年度版厚生労働白書で、少子化要因の一つとして30代を中心とした子育て期の長時間労働が指摘された。同白書では、企業が労働者の仕事と家族の生活の両立(ワークライフバランス)を可能とする働きやすい職場環境の整備を図っていくことが、企業の社会的責任を果たすことになると強調した。
白書によると、30歳代男性の4人に1人は週60時間以上就業しており、長時間就業者割合も増加してきている。また「忙しすぎる人」を増やすことは社会の活力を低下させることにもつながると分析し、育児休業の取得促進や育児期の男性の労働時間の短縮策など働き方の見直しに向けて、企業や国民の考え方を変えていく必要があるとした。長時間労働を生む原因となる24時間サービス、即日配達など消費者が利便性を徹底追求する姿勢の見直しも指摘した。
白書では、先進的な取り組みとして全国から34事例を紹介している。たとえば、サーバーのレンタル事業などを行うクララオンライン(東京都)は保育園などの時間に合わせた短時間勤務制度や育休中でもテレビ電話で重要な会議に参加できるホームオフィスサポートなど仕事と生活の調和を図れる制度を導入し、推進している。
その他、白書は、働く意欲のある高齢者が能力を発揮し、教育や環境、防災など地域活動に参加できる社会の流れ「支えあいの循環」を提唱し、社会保障や地域の支え手を増やすことが急速に発展する少子高齢化による公的社会保障制度への過度の負担に歯止めをかけると期待している。
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/06-2/index.html
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/06/index.html
登録日時: 2006/11/25 11:27:23 AM
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