セイコーインスツル子会社が環境にやさしいボタン形電池開発

セイコーインスツル（SII）の子会社のエスアイアイ・マイクロパーツ（SMP）は、水銀・鉛を使用しない無水銀酸化銀電池を開発し、2006年春より発売を開始する。

酸化銀電池は主に腕時計などに使われているボタン形電池で、従来は亜鉛の防食剤として水銀や鉛を微量添加していた。今回開発した無水銀酸化銀電池は、負極集電体の高精度表面処理技術を採用することにより、防食剤として水銀、鉛を使用しなくても従来の酸化銀電池と同等以上の性能を達成したもの。

また独自のかしめ技術を開発し、内部抵抗を約40％低減し、耐漏液性も向上した。高性能な電解液を開発することによって、従来品の使用温度が-10℃-60℃であるのに対し、新開発品は-20℃-60℃と、使用温度範囲も拡大できた。

SMPでは電池による環境負荷を低減するための研究を1991年から開始し、今回、酸化銀電池の無水銀化を実現した。同社では、ISO14021に相当する環境ラベルタイプⅡを導入し、グリーン商品の拡大に努めているとともに、グリーン購入活動を展開している。