エコ・ソーシャルビジネス

2005年07月31日

 

自然の浄化作用から発見されたヒ素吸着材料、商品化に成功

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金沢大学自然計測応用研究センター(石川県)の佐藤努助教授らは、猛毒のヒ素を吸着・固定化し流出を防ぐことができる、天然に存在する鉱物を主体とする環境浄化材料の商品化に成功した。水や土に混ぜるだけで、ヒ素による汚染土壌や汚染排水の浄化ができ、処理の大幅な簡素化とコストダウンが図れる。

佐藤助教授は、休廃止鉱山から漏れ出す高濃度のヒ素汚染水が下流に行くほど浄化されていることに注目。河床の堆積物に含まれる鉱物「シュベルトマナイト」がヒ素を吸着していることを発見した。さらに、ヒ素汚染が深刻なバングラディッシュで井戸水に散布して浄化に成功、その有効性を実証した。

同大学の技術と支援を受けたベンチャー企業(株)ソフィアを共同発明者として、結晶構造が変化しやすいという吸着材としての欠点を解決し、2003年6月に特許を出願、以来商品化に取り組んでいた。

(株)ソフィアでは、2005年秋に大型のヒ素廃水処理装置を発売する予定。また、現在浄水器メーカーと製作中の家庭用浄水器向けのヒ素処理フィルター(シュベルトマナイト入り)も、2005年に発売予定。土壌については、土木機械メーカーと試験を重ね、可搬式の土壌攪拌機の試作段階に入っている。





登録日時: 2005/07/31 05:40:29 PM

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