エコ・ソーシャルビジネス

2005年06月14日

 

自然にやさしい楽器素材 グリーンライン 日本で広まる

Keywords:  エコ・ソーシャルビジネス  企業(製造業)  生態系・生物多様性 

 

170年以上の歴史を持つ、世界的に有名なクラリネットメーカー「ビュッフェ・クランポン」が開発した合成木材「グリーン・ライン」を使用した楽器が、1996年に正式に紹介されて以来、日本でも広がっている。

現代のクラリネットやオーボエには、グレナディラの材木が自然の素材の中では最適とされているが、主としてタンザニアから輸入するこの高級素材は、工場で形や木目で厳密に選別されるため、実際に使用するのは輸入量の40%にすぎない。同社は、資源を無駄にしない方法として、粉末状のグレナディラ(95%)とカーボン・ファイバーその他(5%)の素材全体を独自の技術によって均一に結合させ、木材の有効利用率を画期的に向上させた「グリーン・ライン」を開発した。

NHK交響楽団クラリネット奏者・松本健司氏は「気候の変化による管体の膨張や収縮、割れなどが起こりにくいので常に安定した状態を維持できる。従来の木製の楽器よりも素材の密度が高い分、音の密度が高く、しっとりと充実した響きを持っている」と語る。

氏はまた、「限りある資源を大切にしなくてはならないのと同時に、演奏家として常に良い演奏をし、美しい音色を奏でたい。グレナディラが楽器として使用できる大きさに育つには300年かかると言われている。今はもう使われていないクラリネットやオーボエをメーカーに戻して、グリーン・ラインにする取り組みが生まれれば喜ばしい」と語っている。






登録日時: 2005/06/14 08:52:26 AM

英語記事はこちら


 


 

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