2004年02月17日
Keywords: 交通・モビリティ 化学物質 地球温暖化 大学・研究機関 環境技術
福岡県の研究グループが2003年10月、特殊な炭素繊維を使って車の排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する実証実験をおこない、一酸化窒素を9割以上除去という成果を挙げ、世界的にも注目をあつめている。この研究をおこなったのは福岡県保健環境研究所の下原孝章専門研究員グループと九州大学機能物質科学研究所の持田勲教授グループ。
この実験に使われた高活性炭素繊維とは、極めて細く加工された炭素繊維の表面に無数の微細な穴を開けたもので、ごく少量で膨大な表面積を持つ。実験はこの高活性炭素繊維によって大気中の窒素酸化物を吸着させかつ窒素ガスと水に分解させる仕組み。
排ガス除去の方法としてはほかに、酸化チタンを使う光触媒方式や土壌フィルター方式もあるが、大気中の排ガスの除去を考えた場合、どちらも除去効率が低く、維持管理にコストや手間がかかるという問題をもつ。
それに比べ高活性炭素繊維は浄化効果が高いばかりでなく、生産コストが低く、加工も簡単で自由にコンパクトな設計が可能。維持コストもほとんどかからず、炭素繊維は200度で焼成すると表面に付着したNOxが離れるため再利用も可能。通行量の多い幹線道路沿線の側壁や地下駐車場の壁への利用が期待される。
http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/news/news42/news42.htm#
http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/nenpoh/np28/np2813.pdf
登録日時: 2004/02/17 09:14:05 AM
英語記事はこちら