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2016年06月10日

 

海洋研究開発機構、沿岸ニーニョ現象を発見 気候変動予測の高精度化に期待

Keywords:  環境技術  地球温暖化 

 

写真:海
Image by kaboompics.

国立研究開発法人海洋研究開発機構は2016年1月7日、西アフリカのダカール沿岸に発生する地域的な大気海洋結合現象を世界で初めて発見し、「ダカール・ニーニョ/ニーニャ」と命名したことを発表した。エル・ニーニョやダイポールモード現象等の大規模な現象に加え、沿岸ニーニョ現象のメカニズムを明らかにし、予測モデルに組み込むことで、異常気象をもたらす気候変動予測の高精度化に繋がることが期待される。

ダカール沿岸では、一年を通して北東から吹く貿易風と地球の自転の影響を受け、海水が沖合に運ばれ、それを補うように海洋内部から冷たい海水が湧昇している。この海面水温が大きく変動し、海洋生態系に大きな影響を及ぼす年があることが報告されていたが、これまで変動の原因は調べられていなかった。

過去30年間のデータを詳しく解析した結果、ダカール沿岸の海面水温が温かくなるダカール・ニーニョ現象が6回、冷たくなるダカール・ニーニャ現象が5回発生していることが判明。ダカール・ニーニョ/ニーニャに伴う海面水温の変化が、直上の大気を暖めたり冷やしたりすることで陸側の気圧との圧力差を生み、それと釣り合って生じる沿岸風が海洋表層の水温に影響を及ぼし、沿岸風に影響するという大気海洋相互作用が生じていることを突き止めた。

同機構はこれまでにも、ニンガルー・ニーニョ/ニーニャやカリフォルニア・ニーニョ/ニーニャ等、同様の大気海洋結合現象を発見している。

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