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2013年11月15日

 

産総研、小型カセットボンベを使えるポータブル燃料電池システムを開発

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産業技術総合研究所は2013年1月28日、マイクロチューブ固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いたハンディ燃料電池システムを開発したと発表した。このシステムは、内部改質機能を持つように電極のナノ構造を制御することで、LPGなど汎用的で持ち運びの容易な炭化水素燃料を直接利用できる。

SOFCは、各種燃料電池の中で最も発電効率が高く、原理的には水素だけでなくメタンやブタンなどの炭化水素でも空気中の酸素と電気化学反応させて発電できる。しかし、LPGの主成分の一つであるブタンは、熱分解による炭素析出が起こりやすく、燃料電池に直接供給すると電極の劣化を引き起こし、数時間以内に発電が不可能になる。そのため、従来の燃料電池システムでは、燃料電池へ供給する前に高価な貴金属触媒を用いた外部改質器を用いて、ブタン燃料をあらかじめ改質する必要があった。

今回開発したシステムは、ナノメートルサイズのセリア(CeO2)を付加して内部改質の機能を持たせた電極を用いることにより、ブタン燃料を直接供給しても安定的に発電する。また、起動にLPGバーナーのみを用いるため、外部電源を必要としない。

同研究所では、今後、災害・非常時用やアウトドア用電源、次世代自動車用電源にSOFC発電システムを応用することを目指す。

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