生物多様性・食糧・水

2013年08月07日

 

金沢大学、ミツバチの大量死とネオニコチノイド農薬との関わりを解明

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関  食糧 

 

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左:実験開始時、右:34日後
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金沢大学理工研究域自然システム学系の山田敏郎教授は2012年9月2日、ミツバチが大量死する「蜂群崩壊症候群(CCD)」と呼ばれる現象にネオニコチノイド農薬が深く関わっていることを発表した。欧米では状況証拠から同農薬を使用禁止した国も多いが、日本では科学的根拠が確定されていないため禁止に至っていない。

同教授らは、カメムシを防除するため水田に散布されている代表的なネオニコチノイド農薬(2種)とCCDの関連性を明らかにするため、養蜂場において成蜂約1万匹の巣箱10個を使用し、2010年7月から2012年8月までの間3回に分けて各種野外実験を実施した。

実験結果から推定されるCCD発生メカニズムは、外役蜂は農薬が散布された場所で即死する。その不足を補うために内役蜂が外役蜂に代わる。その結果、内役蜂が不足して蜂群の構成(卵、幼虫、内役蜂、外役蜂)が不均衡になり、女王の産卵能力の低下を引き起こし、最終的には蜂群が崩壊するというもの。

濃度が低くて外役蜂が即死を免れた場合でも、持ち帰った花密や花粉に含まれる農薬は女王蜂や蜂群により摂取され蓄積するため、慢性毒性による諸障害が出て崩壊に至るとしている。

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