政策・制度・技術

2012年12月10日

 

前田建設工業 分離困難な放射性物質の除去技術を初めて実用化

Keywords:  環境技術  企業(製造業) 

 

JFS/Japanese Co. Succeeds in World-First Removal of Previously Inseparable Radioactive Substance
Copyright 前田建設工業株式会社


前田建設工業は2012年9月、従来は対応困難であった粘土鉱物や植物の細胞内などに入り込んだ放射性物質の分離、除去および回収までの技術を、世界で初めて実規模プラントでの実証に成功したと発表した。

水と汚染物質を混合攪拌し、温度と圧力を加えて亜臨界状態として一気に圧力を解放して汚染物質に衝撃を加え物質構造を破壊し、セシウムを物質から分離して水系に移行させる水熱爆砕処理技術によって、セシウムを分離する。

これにより、細粒の粘土鉱物や植物の細胞内に入り込んだセシウム単体をも安全に分離、除去することができる。水系に移行したセシウムは、フェロシアン化鉄を用いた凝集沈殿技術により容易に回収できる。

同社が一日あたり約5トンの汚染土壌を処理可能な実規模プラントで実証実験を実施したところ、汚染農地の土壌を模擬した試料を用いた実験結果から、80%以上のセシウム除去率と80%以上の減容化率を得ることに成功した。今後、国や自治体が抱える放射性汚染物質の減容化事業の前進が期待される。

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