交通・モビリティ

2010年10月23日

 

川崎重工、ニューヨーク地下鉄で鉄道システム用地上蓄電設備を実証

Keywords:  交通・モビリティ  企業(製造業)  省エネ 

 

JFS/Japanese Manufacturer Tests Railway Battery System on New York City Subway
Copyright 川崎重工業株式会社


川崎重工は2010年7月27日、同社が開発したニッケル水素電池「ギガセル®」を用いた鉄道システム用地上蓄電設備(BPS: Battery Power System)の、ニューヨーク地下鉄営業路線での実証試験に成功したことを発表した。

今回の実証試験では、ニューヨーク市交通局(NYCT)営業路線のクイーンズ地区にある変電所間にBPSを約3ヶ月間設置し、列車のブレーキ時に発生する回生電力を高効率で蓄電できること、電池からの放電により架線の電圧降下を防止するだけでなく、変電所からの供給電圧の変動幅を縮小させることにより供給電力量を削減できることを実証した。

さらには、NYCTが最も注目していた停電時の列車運行を想定した走行試験を行い、空調や照明を維持したまま10両1編成の列車を、電池容量の約11%の電力供給のみで約2.5km移動させることができ、NYCTから高い評価を得た。その結果を元にした試算では、電池容量の100%を使用した場合、最大17編成を最寄り駅(移動距離1.2km換算)まで移動できることを確認している。

実証試験の成功を受け、営業路線へのBPS導入を想定した試験を、複数の営業路線が乗り入れるために電力不足が深刻なNYCTのマンハッタン地区で開始した。

川崎重工は、2007年11月、大阪市営地下鉄の営業路線で、BPSの実証試験に成功している。今後は、今回の実証試験成功を足がかりにして、国内市場および米国をはじめとした海外市場においてのBPSの販売・普及に取り組んでいく考え。また、自然エネルギーの大量導入を可能とする系統安定化技術(スマートグリッド)への「ギガセル®」適用を図り、低炭素社会の実現に貢献していくとのこと。

川崎重工、鉄道システム用地上蓄電設備で回生電力の再利用へ(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024774.html
海外で初めて鉄道システム用地上蓄電設備の実証試験に成功
http://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/c3100727-1.html

登録日時:2010/10/23 06:00:15 AM

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