2010年10月10日
東海大学は2010年7月7日、「クロマグロ陸上養殖研究」の成果として、「地下海水」を利用したクロマグロの陸上養殖研究について紹介するとともに、この技術で飼育されたマグロの水揚げを公開した。
この研究は、同大学海洋学部の秋山信彦教授が民間会社と産学共同で2006年度から進めてきたもので、同大学清水キャンパス内に設置した直径5m、深さ1mの特殊水槽4個に体長約20cmのクロマグロの稚魚を収容し、毎年8月から約4カ月間地下海水を使って育てるもの。
キャンパス内2カ所の井戸からくみ上げる地下海水は、年間を通して温度が一定で、酸素を必要とする細菌類が検出されないことが特徴。海面のいけすを使った養殖に比べ、水温調整に要するコストが削減できるのみならず、病原菌やウイルスによる感染症にかかりにくく、水銀やカドミウムといった重金属などの体内への蓄積を少なくすることが可能になる。
一方、生残率が必ずしも高くないなど陸上水槽起因の課題もあり、秋山教授は「陸上での完全養殖を最終目標として、今後も高付加価値化や安定生産の実現に向け、ノウハウを蓄積していく。陸上水槽で可能な養殖システムのマニュアル化を目指したい」と話している。
東海大学 「クロマグロ陸上養殖共同研究」の研究成果を公開しました
http://www.u-tokai.ac.jp/TKDCMS/News/
Detail.aspx?code=news&id=3615
http://www.u-tokai.ac.jp/
登録日時:2010/10/10 06:00:15 AM