生物多様性・食糧・水

2010年09月19日

 

環境省 移植サンゴの産卵を石西礁湖で初確認

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関  政府 

 

JFS/First Spawning of Transplanted Coral Confirmed in Sekisei Lagoon
Copyright 環境省


環境省那覇自然環境事務所は2010年6月16日、石垣島と西表島の間でサンゴ群集の修復を目的として有性生殖法により実施してきたサンゴ群集修復事業において、移植したサンゴの産卵が初めて確認されたと発表した。

石西礁湖(せきせいしょうこ)は、石垣島と西表島の間に広がる日本で最大規模のサンゴ礁域。その石西礁湖のサンゴが、環境負荷等の原因により衰退している状況から、環境省では2002年度から「石西礁湖自然再生事業」として調査を開始、2004年度には有性生殖法によるサンゴ群集修復実証試験(サンゴ移植)を実施した。環境省事業では、既存のサンゴに負荷を与えずに移植ができ、移植するサンゴの種や遺伝子の多様性を確保できる有性生殖法を採用している。2005年度からサンゴ群集修復事業を実施し、2005年度から2009年度の累計では、合計17,516個(10個/平方メートル)のサンゴ種苗を移植した。

今回産卵を確認したサンゴは、2004年5月に産まれた卵から成長し、2006年2月に黒島沖の海底に移植した、生後約6年が経過したハナガサミドリイシ(直径約15cm)。海底に設置した自動撮影カメラにより2010年5月7日午後10時30分頃、バンドル(卵と精子が詰まったカプセルのようなもの)を放出する様子の撮影に成功した。

沖縄・石西礁湖で世界初のサンゴ人工再生方法(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/029255.html
日本のサンゴ礁の危機続く 白化・オニヒトデ被害拡大(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/023521.html

石西礁湖自然再生事業(サンゴ群集修復事業)における移植サンゴの産卵確認について
http://kyushu.env.go.jp/naha/pre_2010/0616a.html

登録日時:2010/08/19 06:00:15 AM

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