生物多様性・食糧・水

2003年05月10日

 

給食は地元の素材で:岩手県の取組み

Keywords:  食糧  地方自治体 

 

地産地消を推進する岩手県では、2002年度上半期(4月-9月)、県内の学校給食(全188施設、対象生徒数117,608人)における県産食材の使用率が50.1%になった。これは、2001年11月に「学校給食への県産食材の利用拡大に関する指針」の策定を受けて提示された「各学校30%以上」という努力目標を大きく上回る数字で、各地の取組みの成果が見える。

食材別に見ると、完全に100%自給しているのが牛乳。次いで米がほぼ100%。豆腐も95%とほぼ地場産と言える。また畜産物の割合が高いのも特徴で、牛肉83%、豚肉80%、鶏肉71%、鶏卵72%。一方、県産率が低いのが、野菜類25%、果物類6%。これは、こうした取組みが行われる前の1999年度の数字が、野菜類21%、果物類19%であったことから、上半期(栽培には温暖な地域が適する夏野菜が中心となる時期)のみの数字であることが影響していると考えられる。

2002年度には新たな取組みとして、県産小麦であるナンブコムギを30%混合したパンを県下一斉に学校給食に採用した。これにより、年間で219.2トン、県産ナンブコムギの3.3%を消費することになる。

また、盛岡ではふるさと便給食事業(学校給食用の生産者組織の育成・支援)、花巻では雑穀学校給食の日や、旬の味学校給食の日などの設定、水沢では学校給食栄養士等の管内農業視察、牛肉生産農家の学校訪問、管内農産物産地マップポスターの作成・小学校への配布、水稲育苗施設を活用した冬野菜栽培支援、小学校への体験農園の設置など、各地域が工夫を凝らして県産食材の使用率を上げようと様々な取組みを行っている。






登録日時: 2003/05/10 10:33:33 AM

英語記事はこちら


 


 

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