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JFS「地域の経済と幸せ」プロジェクト(2014)

私たちジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)では、これからの私たちの幸せと地球環境の持続可能性の鍵は「地域」にあると考え、2013年4月より「地域の経済と幸せ」プロジェクトを進めてきました。幸せや地域を考えていく上で「地域の経済」の観点を欠くことはできないと考えているからです。

JFS「地域の経済と幸せ」プロジェクト
http://www.japanfs.org/ja/projects/local_wellbeing/index.html

地球環境問題や社会における矛盾や格差の拡大は、これまでの資本主義経済やグローバリゼーションが作り出したのではないか、として、ローカリゼーション、地域回帰への動きは世界的にも広く見られる動きです。

こうした動きを調べるためのリサーチや海外の有識者との意見交換などを通じて、世界にも、日本にも、魅力的な考え方や取り組みがたくさんあることがわかりました。

このページでは、こうした「地域を豊かにする取り組み」をご紹介します。

イラスト
このイラストは次の作品の二次的著作物です。
By youtodesign.com Some Rights Reserved.

目次:

  • 海外の文献(準備中)
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理論

「その取り組みがどのように地域経済に役立つのか」に関する理論があれば、地域で行われている個々の取り組みをずっと効果的なものにすることができるのではないでしょうか。

そこでこのウェブサイトでは、理論的な枠組みとして「漏れバケツ理論(地域内乗数効果)」を取り上げます。その上で、個々の取り組みについて、「漏れバケツ理論からみると、どのような意味を持っているのかをご紹介します。

イラスト:漏れバケツ理論

漏れバケツ理論

お金が多くの人の手に渡りながら地域内を循環することは、地域経済にとって大きな意味を持っています。ここではこの効果について、英国のシンクタンクnefが提唱する「漏れバケツ」という考え方を、nefの許可を得てご紹介します。

詳しくはこちら

写真:経済の青写真

地域経済の青写真~
Local Economic Blueprint

食料などを地域内で生産できれば、その分、その購入のために地域外に支払っていたお金を地域内で使うことができます。英国のトットネス地方ではこの経済効果を、データを元に計算しています。Transition Town Totnesの許可を得て、ご紹介します。

詳しくは、こちら

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実践

投資(地域の中にお金を入れる)

地域の中で起業したり、プロジェクトを行うためには、お金が必要です。漏れバケツ理論の考え方を応用すれば、これは地域というバケツの中に水(お金)を入れる行為に相当します。ここではいわゆる投資家ではなく、「一般の人びと」が後押しする投資のあり方を中心にご紹介します。

写真:スローマネー
Slow Money

スロー・マネー

「スロー・マネー」は米国の「地元の小規模な食料業者への投資を呼びかける」運動です。この運動では、地域の業者や食料事業に投資することで、自分たちが暮らしている地域の経済と食料のシステムを強化することをめざしています。

詳しくはこちら (外部サイト)
翻訳協力:幸せ経済社会研究所

写真:CSA
Image by F Delventhal Some Rights Reserved.

CSA (Community Supported Agriculture)

CSAとは、地域の住民が地元の農業を支えるための仕組みのことです。
消費者は一定額を農家に前払いすることで農家を支援し、生産者は農作物を消費者と共有します。消費者は新鮮な野菜と、農業に直接参加できる満足感や土地とのつながりを感じることができます。

海外の事例
農業を超えた「地域に支えられた農業(CSA)」のモデルーーコミュニティを支える4つの方法 (外部サイト)
翻訳協力: 幸せ経済社会研究所

日本の事例:
東北からスタート 情報とコミュニケーションで一次産業の変革を目指す「東北開墾」

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働き方

写真:Team workImage by Kevin Dooley Some Rights Reserved.

地域の経済を成り立たせるためには、その地域で人々が働けることが重要です。また、地域の必要性を満たす仕事が地域内にあれば、人びとは地域の中で、買い物をしたり、サービスをうけることが可能になり、その分、地域の中でお金が循環することになります。地域の中で働くことは、地域に貢献することでもあり、人びとのつながりも育みます。もちろん、その地域における幸せを考える上でも、働く人が幸せであることは不可欠です。ここでは、今までの「経営者」と「労働者」という枠組みに縛られない働き方や、貨幣収入だけに頼らない働き方をご紹介します。

写真:コレクティブストアーImage by U.S. Department of Agriculture Some Rights Reserved.

労働者協同組合
ワーカーズ・コープ/ワーカーズ・コレクティブ

労働者協同組合とは、雇う・雇われる関係性ではなく、組合員が出資・経営・労働を担い、運営する組織です。
営利を目的とせずに、地域に必要なものやサービスを提供します。
日本のワーカーズコープセンター事業団では、事業高160億円、約6000人が働いています。

写真:塩見直紀氏
Image by 塩見直紀氏


半農半X

塩見直紀氏が提唱してきた、食料は小さな自給農でまかない、残りの時間を「X」として、自分のやりたいことに費やす生き方・ライフスタイルが「半農半X」です。
半農半NGO、半農半ライター、半農半歌手などの例が挙げられます。

JFSでもニュースレターでご紹介しています。
農のある暮らしとライフワーク

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経済(地域の中で回る経済)

投資や仕事によって地域に入ったお金は、地域の中で循環することにより、大きな効果をもつことは、漏れバケツ理論でご紹介した通りです。ただし、地域の中で循環することによって、地域の力を育む要素は、お金だけではありません。

地元学の吉元哲郎氏によると、経済には「貨幣経済」「バーター経済」「自給経済」の3つの形態があります。ここでは、こうした3つの経済を、地域の中で循環する経済という視点からご紹介します。なお、貨幣経済については「地域の貨幣」である地域通貨をご紹介します。

貨幣経済

写真:地域通貨

地域通貨

地域通貨は国が発行しているお金ではありませんが、貨幣の一種と考えることができます。地域通貨は地域の中でのみ使用が可能なため、地域内でのお金の循環を考える上でとても重要です。

海外の事例と解説:
ギリシャに広がる共生経済:地域通貨TEM (外部サイト)

日本の事例:
アトムの地域通貨、仙台市の商店街に登場
地域通貨を使って間伐材を集荷しよう 鳥取県智頭町で社会実験

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バーター経済

写真:交換してもらいました
Image by 淡路島アートセンター Some Rights Reserved.

バーター経済とはいわゆる「物々交換」のような交換経済のことです。交換するのは物とは限りません。たとえば時間銀行では、1時間誰かを手伝うと、その分の「時間銀行券」がもらえます(組織によって時間銀行券の名前はさまざまです)。そして、その時間銀行券は、他の人に手伝ってもらった際の支払いに使うことができます。

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自給経済

写真:福井のカニ
Image by Yuriko IKEDA Some Rights Reserved.

福井県の地産地消率調査

食料の地産地消を考える場合、「家庭菜園」や「おすそ分け」はとても重要な要素です。しかし、公的な食料自給率のデータでは、これらの実態はわかりません。福井県では2009年に全国ではじめて、「家庭菜園」や「おすそ分け」も要素に入れた地産地消率の調査を行いました。

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コミュニティ

コミュニティの中での人々のつながりは、「面倒臭い」「億劫」と感じられることもある一方で、災害時の助け合いや、孤独死を防ぐ上でも非常に重要です。それではどうすればコミュニティの中の人々のつながりを、育むことができるでしょうか。地域経済、あるいは漏れバケツ理論との関係で興味深い事例をご紹介します。

写真:モンドラゴン
Image by HUHEZI (Mondragon Unibertsitatea) Some Rights Reserved.

モンドラゴン協同組合

モンドラゴン協同組合企業は、スペインのバスク地方の都市モンドラゴンに基盤をおく労働者協同組合の集まりです。(労働者協同組合については「働き方」を参照)
モンドラゴン協同組合企業の特徴は、村の生活全体を守ることを目的としていることで、そのために地域に適した新たな事業や技術の研究や開発も行っています。

解説はこちら (外部サイト)

写真:トランジションタウン
Transition Network

トランジション・タウン

トランジション・タウンとは、トットネスで始まった、化石燃料に依存する暮らしから移行する方法を作りだし、実践・発展させていこうとする活動をしているコミュニティです。
2012年6月12日現在で世界34カ国421市町村で公式のトランジションタウンが生まれています。

 

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