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2018年07月15日

 

大阪市立大学、スピルリナを活用しCO2を原料にするバイオ燃料電池の開発に成功

Keywords:  環境技術  再生可能エネルギー 

 

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大阪市立大学は2018年4月25日、濃緑色単細胞微細藻類スピルリナの光合成機能による太陽光エネルギーを利用し、水と二酸化炭素(CO2)を原料として発電し、同時にギ酸の生成を可能とする、バイオ燃料電池の開発に成功したと発表した。

同大学人工光合成研究センターの天尾豊教授のグループは、スピルリナの水中における効率的な酸素発生型光合成機能に着目した。CO2を含む溶液中でスピルリナ由来の光合成膜を固定した電極とギ酸脱水素酵素を固定した電極とを連結した装置において、可視光を光合成膜固定電極に照射すると回路に一定の電流(55マイクロアンペアを計測)が流れること見出した。一方、ギ酸脱水素酵素固定電極上ではCO2が還元されてギ酸が生成することを見出した。さらに酸素の発生、CO2由来の炭酸水素イオンが減少することも確認された。

本研究は、地球温暖化物質の一つであるCO2を有用な原料として消費しながら発電だけでなく、有機分子のギ酸を生成できる新たなバイオエネルギー創製技術の開発である。ギ酸は水素エネルギーの貯蔵媒体だけでなく、有機薬品の合成材料や、無機、有機化合物用溶剤にも利用できる物質である。低炭素社会実現のための重要なツールになることが期待される。

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