生物多様性・食糧・水

2013年02月22日

 

水産総合研究センター 高い生残率のサンゴ増殖技術を開発

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関 

 

JFS/Japanese Research Institute Develops Coral Restoration Technology
水産総合研究センター 提供


独立行政法人水産総合研究センターは2012年11月1日、世界初の自然環境下で従来の10 倍以上の生残率を達成するサンゴ増殖技術を開発したと発表した。

近年、世界中のサンゴ礁域で、サンゴに共生する藻類が失われる白化現象などによりサンゴ群集が衰退し、サンゴ礁に生息する魚介類も減少している。そのため、サンゴ礁の修復および再生は急務となっている。従来、修復、再生の手法としてサンゴの移植やサンゴの幼生を利用した増殖があるが、いずれも生残率が低く実用化が困難であった。

水産総合研究センターはサンゴの生残率を高めるために、格子状サンゴ増殖用基盤を開発。この基盤にサンゴ幼生の着生密度のコントロール、基盤を2段重ねとする、格子サイズの小型化などの対策を施した。基盤にサンゴ幼生を直接着生させ、着生から約1年3か月後に平均生存率18.1%と、従来の値(1%程度)を大きく上回る高い生存率を世界で初めて確認できた。

この成果から、手間をかけずにサンゴ群集を修復させることが可能となり、局所的なサンゴ再生法としてサンゴ礁の修復に大きく役立つことが期待されるとしている。

関連のJFS記事:
沖縄・石西礁湖で世界初のサンゴ人工再生方法
サンゴ礁再生に向け、石垣島海域で増殖実証実験

English  

 

 

このページの先頭へ