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2011年11月05日

 

東北大、高効率・量子ドット太陽電池実現に向けたナノ構造形成技術開発に成功

Keywords:  環境技術  再生可能エネルギー  大学・研究機関 

 

東北大学・流体科学研究所は2011年6月15日、寒川誠二教授グループが45%以上のエネルギー変換効率を期待される量子ドット太陽電池の実現を可能にする高密度量子ドット製造技術を開発したと発表した。

現在実用化されている薄膜シリコン太陽電池の変換効率は、理論上30%を超えられない。同グループは、タンパク質を利用した金属微粒子テンプレート技術や超高精度微細加工技術など、従来に比べて実用性の高い独自技術を開発し、量子ドットを作製した。シリコン基板上に直径10ナノメートルの量子ドットを1平方センチメートル当たり1兆個作り、10nm量子ナノ円盤アレイ構造の作製に成功した。

さらに、このシリコン量子ナノ円盤アレイ構造を、炭化ケイ素(SiC)で埋めこんだ場合に、量子ドット太陽電池の高効率化に欠かせない「ミニバンド」の形成が実現され、光の吸収効率がより向上することを確認した。これにより太陽光の吸収効率が従来の1.5~2倍にまで高まり、理論上エネルギー変換効率45%以上が可能になる。

量子ドット太陽電池は次世代の太陽電池と期待されており、同グループでは3年後をめどにこの構造を用いた太陽電池を試作し、2020年頃の実用化を目指す考え。

登録日時:2011/11/05 06:00:15 AM

English  

 

参照元

寒川誠二教授(知的ナノプロセス研究分野)はシリコンを材料に使い、
次世代太陽電池を作る基本技術を開発しました。
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/news/20110627_samukawa.pdf
東北大学 流体科学研究所 寒川研究室
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/samukawa/
東北大学 流体科学研究所
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/


 

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