生物多様性・食糧・水

2011年01月31日

 

富士山頂周辺の永久凍土が激減

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関 

 


2007年から2010年にかけて静岡大と国立極地研究所が行った共同調査により、富士山(3,776m)の頂上付近に広がる永久凍土の規模が温暖化により過去30年程の間に大幅に減少していることが明らかになった。永久凍土とは、地表面下で2年以上連続して凍結した状態の土壌を指す。

1970年から1976年にかけて行われた第1期調査においては、永久凍土は標高3,100~3,300m付近まで分布していたが、1998年から2001年(第2期)では標高3300~3500m付近までと下限高度が約200m上昇。2007年から2010年にかけての調査でも急激に規模が縮小していることがわかったという。

富士山には永久凍土の環境下で初めて生存が可能となったと考えられる高山植物もあるとされ、このまま温暖化が進行すると、これらの貴重な生態系に大きなダメージを与える可能性もある。

また過去100年(1906年~2005年)の地球平均気温の温暖化は0.7℃であるのに対し、富士山頂にある観測所の平均気温は1970年代半ばから最近までの30年ほどに1.1℃も上昇しており、予想を越えるスピードで富士山の温暖化が進んでいることも確認されている。

南極から地球環境を考えるテレビ放送(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/022889.html

登録日時:2011/01/31 06:00:15 AM

English  

 

参照元

国立極地研究所
http://www.nipr.ac.jp/
極地研ニュース187号(7ページ)
http://www.nipr.ac.jp/publication/PDF/
NEWS_no.187.pdf


 

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