政策・制度・技術

2009年03月27日

 

農環研 オオムギ葉から生プラ分解能力が高いカビを発見

Keywords:  環境技術  3R・廃棄物  大学・研究機関 

 


農業環境技術研究所(農環研)は、イネ科作物の葉の表面などに生息するカビ(糸状菌)が、生分解性プラスチック(生プラ)を効率よく分解することを発見し、2008年10月22日に発表した。この菌はオオムギ葉から分離されたもので、培養液中に純度の高い分解酵素を分泌する。この酵素液を生プラで出来た農業用マルチフィルムに散布すると、6日間で重量にして91.2%が分解された。

現在、使用済プラスチックの排出量は、国内の総計で約1千万トン、農林業用は約15万トン(環境省、農林水産省)。プラスチック廃棄物を回収する手間と処理量を減らすために、農業用資材などに生プラの導入が進められている。しかし生プラは分解性を高めると資材としての強度が落ちるなどの問題があり、分解を促進するための技術開発が求められていた。

同研究所では、葉の表面が生プラの構造と似ていることに着目、表面に常在している微生物から分解能力が高いものを探索し、特に生プラ分解能が高い糸状菌を発見した。今後その特性を生かした技術開発が期待される。また一連の成果は、これまで見過ごされていた植物に生息している微生物の資材としての利用の可能性を示したとしている。

農環研が植物の葉から生分解性プラスチックを強力に分解するカビを発見http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/press/081022/
press081022.html

農環研が生分解性プラスチックを強力に分解する微生物をイネの葉の表面から発見
http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/press/080310/
press080310.html

2008年農林水産研究成果10大トピックスの選定について
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/081217.htm
http://www.s.affrc.go.jp/docs/10topics.htm

登録日時: 2009/03/27 06:00:15 AM

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