政策・制度・技術

2009年02月20日

 

名古屋大学 植物で植物を灌漑する「植物スプリンクラー」を開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関  生態系・生物多様性 

 

新エネルギー・産業技術総合開発機構は2008年8月26日、助成事業の一環として、名古屋大学大学院の助教、矢野勝也氏が「植物スプリンクラー」の技術を開発したことを発表した。

本研究では、深根性の植物(キマメなど)が、昼間に深根から深層水を吸収し、蒸散を停止する夜間に、吸収した水を乾いた表層土壌に放出する現象(水圧リフト)を確認した。さらに、表層土壌に放出された水分が近隣の浅根性作物(トウモロコシなど)にも供給されることを立証。この現象をうまく制御できれば、植物で植物を灌漑する「植物スプリンクラー」が可能となる。

これまでの大型灌漑設備は、高コストのうえ、蒸発で失われる水の割合が多く、水資源の浪費は塩類集積を招いてきた。本技術は植物の根を介した地中点滴灌漑技術であり、低コスト、高灌漑効率、さらに、塩類集積の回避に寄与する低環境負荷技術として期待される。

本研究は実証段階を終了しており、今後ホームページなどで解説や事例集を公開する予定。

登録日時: 20096/02/20 06:00:15 AM

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