生物多様性・食糧・水

2005年09月10日

 

タンチョウ1000羽に 2005年1月の調査で確認

Keywords:  生態系・生物多様性  地方自治体 

 

北海道阿寒町のタンチョウ保護調査連合は、2005年1月下旬に実施したタンチョウの生息数調査の結果をまとめ、タンチョウの北海道個体群が1000羽に達したと5月9日に発表した。

北海道のタンチョウは、1920年代には絶滅したのではないかと言われたが、1950年代の冬期給餌の成功により、しだいに数が増えてきた。今回の調査で、幼鳥数は123羽とこれまでの最多を記録、最近5年間における群れの幼鳥割合は、平均で12.4%と高く、総数の平均伸び率も6.1%で、大きな変化がおきなければ、これからしばらくは羽数の増加が続くという。

一方、繁殖地である湿地は現在も減少しており、タンチョウを取り巻く環境は悪化している。湿原の減少と個体数増加により、営巣番い(つがい)の高密度化が進んでいることや、タンチョウを絶滅から救うためにやむなく行われている給餌によって人馴れした個体が、人の生活環境の近くでも営巣することによって、人工物との衝突事故が増えたり有害化学物質の脅威にさらされる危険が高まるなど、種々の問題も抱えている。

同連合では、今後のタンチョウ保護事業には、自然科学分野の調査だけでなく、社会科学の分野のかかわりなど、さまざまな分野の知恵と洞察力が必要で、多くの理解者と協力者、地域市民の参画のもとで展開していくべきとしている。



http://www3.ocn.ne.jp/~aicc/




登録日時: 2005/09/10 09:52:22 AM

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