2005年03月13日
Keywords: 生態系・生物多様性 大学・研究機関 政府
原材料用に輸入された遺伝子組換えナタネが、各地で生育しているのが確認されている。農林水産省では、2002年度から2003年度にかけて、茨城県鹿島港周辺で、原材料用輸入セイヨウナタネのこぼれ落ち実態調査を実施し、セイヨウナタネの生育が確認されたと2004年6月29日に発表した。
これを受け、市民団体による全国調査が今年始めて実施された。2004年7月21日に三重県四日市港3号埠頭周辺と同市内搾油工場周辺の路上で、さらに同年8月13日には愛知県名古屋港周辺での自主調査で、米モンサント社の除草剤ラウンドアップ耐性ナタネのこぼれ落ちによる自生を確認した。また仏アヴェンティス・クロプサイエンス社のバスタ耐性ナタネの輸入も多く、鹿島港周辺などで自生が確認された。
独立行政法人国立環境研究所の中嶋信美総合研究官は、2004年7月上旬から8月上旬にかけて、茨城県と千葉県の国道沿い45地点で生育していたセイヨウナタネの種子を採取。その中の国道51号線沿いの8地点で採取した種子からラウンドアップ耐性の個体が検出された。
中嶋総合研究官によると、除草作業が定期的に行われていることや一般的に雑種の種子生産力等は劣ることなどから、道路の外へ拡がって生物多様性へ影響を与える可能性は現時点ではきわめて低いと考えられるが、今後は周辺の植生調査等をおこなって監視する必要はあるという。
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/2004/0629.htm
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/2004/0629b.htm
登録日時: 2005/03/13 11:29:23 AM
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