化学物質

2004年12月01日

 

首都圏の河川水・下水から医薬品が検出される

Keywords:  化学物質  大学・研究機関    生態系・生物多様性 

 

横浜国立大の益永茂樹教授、清野敦子さんのグループは、首都圏にある神奈川県周辺の河川水・下水処理場放流水から、人用および動物用医薬品が高い確率で検出されたという研究報告を2004年3月に発表した。

この研究では、多摩川、鶴見川の二つの都市河川と、農業・畜産排水が流入する金目川を対象として調査。河川水のほか下水処理場放流水など、合計4回、25サンプルの試料採取を行った。

その結果、すべての採取から人用医薬品カルマバゼピン(抗てんかん薬)が、25サンプル中24サンプルから人用医薬品プロプラノロール(抗不整脈薬)が検出された。また、スルファメトキサゾールほか数種類の合成抗菌剤も高頻度で検出された。人用医薬品については下水処理場放流水のほうが河川水より高濃度で検出された。

医薬品や人体ケア化学品の環境中での存在については、近年欧米で関心が高まり、日本でも調査が始まった段階である。今までのところ日本の環境中の医薬品濃度は全体として欧米と同レベルかそれを下回る数値になっているが、医薬品による生態系への影響や薬剤耐性菌の環境への広がりなどの問題が心配されている。



http://risk.kan.ynu.ac.jp/




登録日時: 2004/12/01 04:04:55 PM

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