生物多様性・食糧・水

2004年03月05日

 

ハチクマ、1万キロ超える渡り 人工衛星追跡調査で判明

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関 

 

日本に生息するタカの仲間のうちで数少ない夏鳥の代表であるハチクマの詳細な渡りのルートが人工衛星の追跡調査によって判明、1万キロを越える旅をしていることが分かった。調査にあたったのは東京大(樋口広芳教授)や信州大(中村浩志教授)などの研究グループで、2003年 12月に開かれた野生生物保護学会、また信州生態研究会で発表されたもの。

調査は捕獲したハチクマに発信機をとりつけその電波を衛星で追跡するというシステムを使っておこなわれた。情報がほとんどリアルタイムで研究者のもとに届くので、渡りの状況が詳細に分かる。2003年9月下旬に日本を出発したハチクマは中国、ベトナムと南下を続けインドネシアまで渡った後今度は北上、12月にはフィリピンのミンダナオ島に達し、渡りの総合計は1万2千キロにおよんでいる。

ハチクマはハチ類を好み丘陵地や林に生息するが、森林開発などで急激に数を減らし日本では準絶滅危惧種に指定されている。今回の調査により重要な生息地や生息環境について知ることが多くなれば、生息環境の保全、ひいてはハチクマの保全を目指すことができると研究者は期待している。






登録日時: 2004/03/05 08:38:43 AM

英語記事はこちら


 


 

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